窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

湿気

ようやくこの2ヶ月間かかっていた編書房の仕事をアップ。昨日原稿を渡したのだけれど、夜になって突然の変更(なんとタイトルが)で、表紙を一晩で描き変えて宅配で送った。 本は子供むけの古代詩の本。今回はモノクロ印刷なので手描きと木版画を駆使して20…

先日古くからの友人に『厄除け詩集』が良かったよ、と言ったら、岡本かの子と高見順を薦められた。そういう彼は堀江敏幸がマイブーム(って死語?)らしい。 堀江敏幸は私も好きだったので、それなら岡本かの子も。と、図書館へ。町の大きな書店にもないんで…

星新一

私の家は窪地に位置していて、道に小さな階段があってそれを上って駅へつながる大通りにでる。いつだったか、その階段の向こうから本を読みながら歩いてくる少年と出会ったことがある。 彼は制帽をかぶり制服を着てランドセルを背負っていた。どこかの付属の…

空からきた魚

章扉に私の絵を使っていただきました。既存の作品ですが5点。どの絵かは本をごらんくださいね。(表紙はアテネ国立考古博物館所蔵の飛魚の絵だそうです)『空からきた魚』はアーサーの最初のエッセイ『空からやってきた魚』が文庫化されたもので、今読んでも…

高村薫ー作家的時事評

作家的時評集2000-2007 (朝日文庫 た 51-1)作者: 高村薫出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/10/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 14回この商品を含むブログ (18件) を見る 私がこの本を読んでいるのは、本の紹介をどこかで読んだので。 小泉政権が…

セルフビルド 矢津田義則

年末の個展の時に、矢津田さんが来てくれた。彼は陶芸家で私は彼や彼の奥さんの焼いた陶器を日常使っている。私の家に来た友人達の多くは、その器を手に取って気に入ってくれる。 矢津田さんは、益子に住んで自分で建てた家に住んでいる。自分で家を建ている…

佐藤優ほか

最近読んだ本は 獄中記作者: 佐藤優出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/12/06メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 166回この商品を含むブログ (134件) を見る 国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)作者: 佐藤優出版社/メーカー: 新潮社…

レディー・ジョーカー

というわけで結局読んでみた。 レディ・ジョーカー〈下〉 レディ・ジョーカー〈上〉合田雄一郎って、こんな人だったっけか。と、マークスの山からかなり経ったことを改めて感じる。 参照:http://www.donguri.sakura.ne.jp/~shell/godaholic/しかし、疲れた…

ミステリー

本を読んでいる時間がない。はずなのに、読んでいる。 ミステリー小説を読もうと思っていたので、横山秀夫も平行して殆ど読んだのだけれど、やはり乃南アサの方が面白かった。「凍える牙」が面白かったので、そのシリーズをなんとなく読み始めた。 一応事件…

本屋さん

昨日あげた本は図書館で借りたものや、古書。実のところ最近新刊の書店で本を買っていないのだった。「町の本屋」の生き残りと大型書店増加傾向への疑問 - かたつむりは電子図書館の夢をみるか専門化というのは、書店に取ってみればけっこう冒険だと思う。 …

今日は涼しい。軒下の虫たちは急に低い気温で驚いたのか、かえって猛暑の夜の方がうるさく鳴いていたように思える。 暑さをしのぐために今年も色々と工夫をしていた。読書とか。それもミステリー系。 宮部みゆきは今年に入って読み始めた。 魔術はささやく (…

猫の本

猫の本は、あまり読んだり見たりしないのだけれど、今日は久しぶりに書店に行ったら見つけてしまった。まこという名の不思議顔の猫 (MARBLE BOOKS)作者: 前田敬子,岡優太郎出版社/メーカー: マーブルトロン発売日: 2007/06メディア: 単行本購入: 3人 クリッ…

未来創作2

しばらく前に編集長の村井さんより送っていただいた。なんと雑誌!?これ。未来創作 Vol.2作者: マツザキヨシユキ出版社/メーカー: 新風舎発売日: 2007/05/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る私にとっての目玉は、もちろん谷川俊太郎さん…

風の影

借りて読む。ふうむ。 バルセロナの古書にまつわる話ということで、期待して読んだけれどいまひとつ。 もう少しで、プラス座布団2枚ってところ。 風の影〈上〉 (集英社文庫)作者: カルロス・ルイスサフォン,Carlos Ruiz Zaf´on,木村裕美出版社/メーカー: 集…

ハリポタ

ハリポタの6巻をようやく読み終えた。原書なので時間がかかるし、1巻からの登場人物や魔法の名前が多すぎて、誰が誰やら何が何やらわからない。それで図書館で、辞典を借りてきた。 ハリー・ポッター大事典 1巻から6巻までを読むために作者: 寺島久美子出…

久しぶりに図書館で本を借りた。これはベストセラー ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)作者: アンドレイ・クルコフ,沼野恭子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/09/29メディア: ペーパーバック購入: 2人 クリック: 68回この商品を含むブログ (163件…

ぼくのだいじなボブ

翻訳家の上杉さんから送っていただいた素敵な1冊を。 http://www17.ocn.ne.jp/~h-uesugi/mostlybob.htm 作者: T.コーウィン, 上杉隼人 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/03/12 メディア: 単行本asin:406213800X これはミュージシャンのトム・コーウィ…

昨日からチマチマと読んでいる。 象 (文学の冒険シリーズ)作者: スワヴォーミル・ムロージェック,長谷見一雄出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 1991/02メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る ポーランドの作家スワヴォミール・…

おくの細道

「えんぴつで奥の細道」とかいう本が、やはり書店では随分前から平積みになっている。手にとったことはなかったのだけれど、今日ラジオでそれを監修した人が出てた。その前に嵐山光三郎氏が出ていて、芭蕉の話をしていた。最新刊の著書「悪党芭蕉」の話など…

雑誌

近所の大型書店の雑誌売場に、このところ一連の雑誌が平積みになっている。一連のというのは「アルネ」とか「Re:S」(リスと読むらしい)。クウネル系みたいな雑誌だ。 パッと見るとどれがどの雑誌だかわからないくらいよく似た装丁と、写真の撮り方だ。白っ…

カポーティと映画

夏の間、仕事絡みで英文を読まなくてはならなくてけっこう疲れた。合間に読んだのがカポーティ。ずっと読もう読もうと持ち歩いていて、読み始めたら例のごとく集中してしまった。 冷血 (新潮文庫)作者: トルーマンカポーティ,Truman Capote,佐々田雅子出版社…

遠近 (第12号(2006年8・9月号))出版社/メーカー: 国際交流基金発売日: 2006/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る というわけで「遠近」を麦谷さんから送っていただいた。どうもありがとうございます。安西さんの文…

『遠近』世界は村上春樹をどう読んでいるか

3月に村上春樹のシンポジウムに行かれなかったことをぼやいていたら、主催の国際交流基金の方からコメントがついた。 # mugitani 『はじめまして。 突然にお邪魔いたします。国際交流基金の麦谷真理子と申します。 シンポジウムにはお出でいただけず、恐縮…

年を歴た鰐の話

先日、編集部のTさんからイラストレーションを送ってもらって、読んでいたら「年を歴た鰐の話」がアニメーションになったと描いてあった。私が持っているのは、山本夏彦訳の復刊本だけれど、アニメーションの元の本は出口訳のもののようだ。 「年を歴た鰐の…

家にいながらエコノミー症候群になりそうな。「海辺のカフカ」を一晩かかって読んだときと同じくらいの疲労感でカズオ・イシグロをようやくホボ読み終えた。朝から晩まで椅子に座って読んでいたので、夕べは足が椅子の形になりそうだった。今日も首を上げる…

藤田嗣治展

昨日は近代美術館に藤田嗣治展を観に行った。凄い人かと思ったけれど、そうでもなかった。こういう時代の絵は予備校の頃によく観ていたので、どうしても技法的なところに目がいって顔を近づけてフムフムと、観てしまう。そういえば予備校の時の同じクラスに…

男の子女の子

「 僕はマゼランと旅した」を読んでいる。 僕はマゼランと旅した スチュアート・ダイベック〔著〕 / 柴田 元幸訳 白水社 ISBN:4560027412 ダイべックは話芸だなあ。と、思う。その前に小三治の「ま・く・ら」を読んでいたせいかもしれないけれど、そうしてな…

たべるトンちゃん

先日、よるひるプロで初山滋著「たべるトンちゃん」を購入。子供の頃に家にあったような、ないような記憶。 私が覚えている初山先生は、正月に家に行った時に沢山の大人たちに囲まれてお酒を飲んでいるおじいさん。というイメージだ。家の庭には沢山の野鳥を…

エコール・ド・シモン人形展へ

打ち合わせの行きがけに眞由美さんが出品している人形を見てきた。四谷シモン以外の球体関節人形をこんなにたくさん見るのは初めてかもしれない。 私は関節人形の中で、四谷シモンの人形は好きだったが、最近の他の作家の人形はそれ程好きではなかった。でも…

10数年前、新宿の事務所でアルバイトをしていた頃、事務所から家までには書店がたくさんあって、行きも帰りもふらふらと吸い込まれるように書店に入り、楽しみにして買った本を帰りの電車の中で殆ど読んでしまって、ぼう然としながら家に着いたりしたことも…