窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

家探しは続く(その12)

段ボールから本や食器を出して棚に入れて、箱をつぶして黙々と束ねる。週明けまで段ボール箱の回収はないので、家のあちこちに立てかけてある。 なんだい、この無意味な作業は・・・。 徒労という言葉がふさわしいけれど、おかげで多少の本と服を処分するこ…

家探しは続く(その11)

夕べはほぼ詰め終わった本と食器の段ボール箱に囲まれた部屋で、もうすぐこの生活も終わるのだ。と気合を入れなおしながら書類を仕上げ、図面の中で物の配置を考えて後悔がないかを確認した。何となく気が重かったけれど、それは越したくて越すのではないか…

家探しは続く(その10)

電話では下にアトリエ付きで上に2間という家があるのでというので、不動産屋へ行ってみた。しかし下のアトリエは大家さんが使っていて、貸してもらえるのは2階の2間というアパートのことだった。 他にはこれまで私が何度かチェックしてきた家の中を見られ…

家探しは続く(その9)

先日の線路沿いの家があった駅にまた行ってみた。 その沿線では物件がありそうな気もして。 駅を下りるとこの間の仲介の不動産屋が開いていたので一応訊いてみることにした。 私の希望を話し、実はこの間あの家も見たのだけれどという話になったが、線路沿い…

家探しは続く(その8)

朝、ゴブリンから電話がかかってきた。 「みつかったよ!一度見てみてぇ。小平。 もうここしかない。いいところだ。12万。 すごくいい。見てみてよぉ」と。 私が高いと言うと、 「値段なんて関係ない。 もうねえ、値段なんていってちゃ駄目っ! 本当にいいと…

家探しは続く(その7)

古本屋ののお得意さんから薦められた番外編。 街では古くからあるおそらく昭和30年代に建ったと思われる破風建築のりっぱな銭湯を囲む商店の一角が、ずいぶん前から空きっぱなしになっているから、聞けば貸してくれるのではないか?と。それは2年ほど前まで…

家探しは続く(その6)

ショックもいえぬまま家探しは続く。 駅周辺の不動産屋は殆ど行ったが芳しくなかったので、気乗りのしない1件に昨日行った。 毎日前を通る不動産屋なのだが、以前ちょっと立ち寄った時にそこのおじいさんのあまりの押しの強さに閉口して、避けていたのだ。 …

家探しは続く(その5)

週明けに内覧を申し込んでおいた2階建ての家を朝から見に行く。不動産屋とは現地集合だったが、早めに行って周辺を確認した。 ネットで見つけた物件だ。これまでの中で一番広く80平米弱。そして家賃は今より少し高い。けれど駅からも近い。軽自動車も止めら…

家探しは続く(その4)

昨日の夜に友人たちにネット上で家を見てもらい、立ち退きが8月ならまだ間があるし、日当たりもいまいちそうだからなあ。という意見ももらって、もう一度考えることにした。 午前中にもう一度物件を外側から見ると、やはり南東に近くに建物が建った平屋だと…

家探しは続く(その3)

ここは?と思うマンションの画像をググッテいると、マンションの入り口にかかっている管理不動産屋の看板をみつけたので、それをネットで調べて尋ねることにした。 しかしそのマンションはあまりお勧め物件ではないらしい。庭付きと出ていたけれど実はただの…

家探しは続く(その2)

やはりJRよりも私鉄沿線のほうが安くて物件も多いだろうということで、2駅くらいの5,6件の不動産屋にあたってみたけれど、これが全くない。 戸建というのがいけないのなら、マンションで探してみようと思い、家に戻ってネットで検索してみた物件を持っ…

家探しは続く(その1)

4年限定の家は、下にアトリエと称するコンパネの床と壁がむき出しになっている作業小屋がついており、1階にトイレと風呂、2階にキッチンとリビング、そして14畳のコンパネむき出しの屋根裏部屋がついていた。 造り自体も面白かったが、持ち主の物がまだ…

家は全く決まらないまま、ダンボールを積み上げている。不動産屋ではプレス機よりも猫というのがハードルが高いと言われた。 「猫が・・」と話したら、不動産屋の新入社員らしき青年が顔を輝かした。「20歳で盲目なんです」と言ったら、泣きそうな顔をした…

玉ねぎを描いている場合ではないのは、引っ越し先を捜さねばならないからだ。 築50年の風情を持ってはいたが、それなりに満足していたこの貸家に白アリが出てしまい、 大家さんは更新をしないということで引っ越さなければならなくなった。 8月前後までに探…