窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

ぼくのだいじなボブ

翻訳家の上杉さんから送っていただいた素敵な1冊を。


http://www17.ocn.ne.jp/~h-uesugi/mostlybob.htm
作者: T.コーウィン, 上杉隼人
出版社/メーカー: 講談社
発売日: 2007/03/12
メディア: 単行本

asin:406213800X

これはミュージシャンのトム・コーウィンとゴールデンレトリバーのボブのお話です。
私はいわゆる動物ものの本は、あまり読まないのですが、でも、この本は「世界一短くてせつない、犬の話」と、帯の背にあるように短い。それからパラパラマンガになっている犬のシルエットがカワイイ。〔笑)そうして、何より内容が、淡々としているんです。それは本当にあった話だからですね。きっと。そこが好きでした。本当にあったことを語るとき、それが悲しいことだったりすると、人は淡々と話すものですから。


勿論、この本の主人公はゴールデンレトリバーのボブなのですけれど、おそらくその文章やこの本の(稀に見る)間の取り方などのおかげで、私は私が生まれたときに既に家にいた黒いラブラドールの雑種のことや、それからこれまで一緒に過ごした数多くの犬やら猫やらアヒルやらチャボ達に思いを馳せました。そして、お気に入りの場面を何度も読んだりパラパラマンガを繰り返してみたりしました。

私のお気に入りの場面というのは、ボブがトムを選んだところです。本には別に選んだとは書いてないけれど、選んだのだと思います。
動物は飼い主を選ぶのだと、私は今の家の猫を見ていて思います。(まあ、私の場合私を選ぶ猫が周りに多すぎるようで、困るのですが)

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