窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

たべるトンちゃん

先日、よるひるプロ初山滋著「たべるトンちゃん」を購入。子供の頃に家にあったような、ないような記憶。
私が覚えている初山先生は、正月に家に行った時に沢山の大人たちに囲まれてお酒を飲んでいるおじいさん。というイメージだ。家の庭には沢山の野鳥を飼っていて、庭には煉瓦の仕掛けがしてあった。どうするのかというと、それで雀をとって食べるのだと言った。それを聴いた私は急に無口になり、庭の土をほじっていたような記憶がある。

オンライン書店ビーケーワン:たべるトンちゃん 「たべるトンちゃん」  初山 滋作/よるひるプロ ISBN:4903108015

「たべるトンちゃん」も他のどの絵を見ても、初山先生の絵はいつ見ても新しい。私たちの世代だと、小学校の国語の教科書の表紙の殆どが初山先生の絵だったと思う。「五色の鹿」や「七夕」のように。「たべるトンちゃん」本もとてもすてきに復刊されている。よるひるプロというのは、阿佐谷にある喫茶店よるのひるねの出版部門(?)のようだ。私としては「もず」も復刊して欲しい。
よるのひるねのブログにもあったけれど、ぽえむ・ぱろうるが閉店するそうだ。私がよく行っていたのは池袋のリブロの中のお店だったけれど、リブロが変わってしまってからぽえむ・ぱろうるだけが昔の片りんを残していたので、残念だ。透土社版の「焼かれた魚」や「猫町」も頼んで置いてもらったことがある。昔はリブロの中の地下の一画にあって、なんとなく秘密の部屋。みたいな雰囲気だった。