窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

俳句的日常

NHK俳句の7月号発売中。
7月と8月の「俳句的日常」の著者は言語学者金田一秀穂さんです。
昔、NHKラジオ深夜便金田一さんが電話出演されて、現代の言葉の説明をしているのを時々聴いていた。金田一さんはいつもなんだか笑ったような声で話していて、相手の女性アナウンサーは物言いがきつかったような印象だった。そんなきつい言い方しなくてもいいのに。と、ボンヤリ思ったのは、夜中だったからだろうか。
私はテレビを何年も持たない生活が周期的にあって、その間金田一さんはテレビに出ていたのかもしれないけれど、私にはそのラジオが一番印象深いものだった。
今回のエッセイを読むと、当時のラジオとは異なり、笑ったような声が聞こえてこない。暗く低い声の人が語っているような印象だった。ひとつひとつの気持ちや動きが、短く区切って書かれているけれど、それは箇条書きのように途切れていなくて、流れいくような文章。
文末に加藤郁乎の句が紹介されている。