窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

版画グループ展ザ・ギャラリー文京の版画のグループ展に出品します。 作品は今年のピガでの作品の中から5点ほど出品いたしますので、おいでになれなかった方、また「もう一回見たろうじゃないか。」という方々もぜひおでかけくださいませ。 Za 版画Vol.62005…

タロウ

暗くなるのが早い。夕方買い物に行くため外に出たら、もう外は薄暗い。それでもまだ足元は見えるので、公園の中を通っていこうと思って入口にさしかかると、初老の男性と若い男が草むらで何かを探していた。若い男の方は、小さな懐中電灯と、片手に犬のリー…

京塚さん

秋の初めの頃、通り沿いのアパートのエアコンの室外機の上で、京塚さんが日なたぼっこをしていた。アパートは京塚さんの飼い主の小雁さんの家の隣にあり、この界隈には場違いの小雁さんの家と同じアーリーアメリカン調の外観からすると、小雁さんの持ち物と…

歴史には夢がある

駅への途中に森がある。一般の人は立ち入り禁止の、アシカ君が「精霊が住む」と言っていた森だ。森に沿った遊歩道が終る辺りの空き地に、この夏の始め頃から工事の車が入り始めた。建築計画の札が立てられたので、見ると6階建てのマンションが建つらしい。…

カマキリ

少し前のこと。今日のような青い空だった。 公園の裏手には小さな山があり麓にそれ程大きくない畑があり、緩い起伏のある人が一人通れるくらいの狭い路地を挟んで、住宅地がある。私は時々その路地を通る。少し上り坂になった場所を歩いていると、どうしても…

冬支度

色々あって、かなり脱力していたこの頃。陣中見舞いにM亮がフランスパンやチーズや果物を持ってきてくれた。美味いっす。これにワインがあれば最高!しかしM亮からは「酒なんて飲んでんじゃねえぞ。」と。彼ら夫婦は飲まないのだ。アトリエタムラの来年の…

通貨

版画のポストカードをM亮に見せたら「おー、じゃあさー、これを飲むときに持っていって、皆に売って飲み代の代わりにしたら?」と言われた。そういえば、以前年末企画会で集まった人達の何人かは、自分が作ったものを仲間内に売ったりしてたのだ。私はその…