窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

詩人たちユリイカ抄

詩人たちユリイカ抄 (平凡社ライブラリー (558))作者: 伊達得夫出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2005/11/01メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (17件) を見る頁をめくると安東次男と駒井哲郎の詩画集「からんどりえ」の原画の写真が載って…

『焼かれた魚』

10数年前に透土社から出版された私の挿画本、小熊秀雄の童話「焼かれた魚」が装幀なども変わり、アーサーの英訳も新たにこの度パロル舎から復刊されました。どうぞよろしく。 焼かれた魚 小熊 秀雄文 / アーサー・ビナード英訳 / 市川 曜子画 / パロル舎\1,5…

猫の仕事

先日、ヒロエサンから面白い本ということできょうの猫村さん 1を教えてもらった。書店で見かけたので、立ち読みをしていて大笑いしそうになった。あ、あぶない。 そういえば、以前私も「猫の仕事」というお話を書いたことがある。銅版画で表紙用の絵を作った…

 SF

子供の頃、テレビの漫画が好きだった。覚えているのは色々あるけれど「宇宙少年ソラン」「スーパージェッター」「サイボーグ009」私が好きだったのはお姫さまものではなくて、絶対的に少年漫画だった。 数年前、造形の友達との間で話題になったのは、当時東…

東京奇譚集

村上春樹の新刊「東京奇譚集」が出て、久しぶりに村上モトクラシを読んでいたら、村上さんはフルマラソンに向けてトレーニングをしている。と、書かれていた。走りながら聴いている音楽の中にキング・カーチスが入っていたので懐かしくなった。キング・カー…

電子辞書

1年前に買った電子辞書が壊れてしまった。少し前から怪しい素振りだったので、電池が無くなってきたのかと思い、交換してみたらまったく作動しなくなってしまった。それでヨドバシカメラに修理に出して、ついでに鳥飼が話していた新しい電子辞書群を見てみた…

高校生からわかる日本国憲法の論点

基本に立ち返る意味で「高校生からわかる日本国憲法の論点」を最近買った。 高校生からわかる日本国憲法の論点私が読むぶんには、第8章はうなづけるのだけれど、ここで伊藤さんがひとつひとつ定義している危険性に対して、すべて当然OKというような人(例…

小島信夫

保坂和志の新刊「小説の自由」を読んでいると「小島信夫はカフカ」という記述が出てくる。それは「抱擁家族」と「うるわしき日々」について書かれている箇所で、なるほどと思うのだけれど、私が最初にそれらの小説を読んだときに思ったのは「私の友人夫婦そ…

 医者井戸を掘る

ペシャワール会から会報が届いた。ペシャワール会は、世間ではアメリカが作った政権によって、一応安定(本当はそう思っている人は多くないだろうけれど)ということになっているアフガニスタンで、20年近くに渡って地道に活動を続けているNGO団体だ。『地道…

 先日2丁目で貰った本3冊

失われし書庫ISBN:4151704086 マーロウ最後の事件 ISBN:479495848X タッチ ISBN:4150761531

ガラテイア2.2

ガラテイア2.2の再読を始めた。私が魅かれる小説は、少し悲しいものだったりする。希望と絶望が混じっている。経過も結末も知っている小説をもう一度読むのは、自分の人生を読むような気がする。過去ではなくて未来の絶望と希望。 ガラテイア2.2ISBN:4622…

死の棘日記

太郎さんは全く対抗策にならず「死の棘日記」を読み始める。ネットで表紙画像を見たときに、おや。と思ったのだけれど、やはり駒井哲郎の版画がつかわれていたのだった。(「エチュード(ある日)」(1959年))私が持っている島尾敏雄の「日を繋けて」もやは…

ねじまき鳥のクロニクル

「ねじまき鳥のクロニクル」を2巻まで読んでパソコン仕事。出た当初に読んだときはなんだか私にとってはよそよそしい気がしていた。それまでのデタッチメントから責めていっている物語の方が自分には近しかったのだ。今読むと少し違う。 私は長い物語が好き…

「ユリイカ1月号」を買った。ユリイカを買うのはものすごく久しぶり。知らない間に表紙が写真になっていた。柴田先生翻訳中。というかんじの写真。 特集は翻訳作法。研究社の金子さんの柴田先生へのインタビューと文章が特集の巻頭。金子さんも英語が堪能な…

春風倶楽部

春風社の編集者の田顔君が最新号の春風倶楽部を届けてくれた。春風倶楽部は春風社のPR誌だ。PR誌と言っても各号テーマがあって、今号のテーマは「最高エッチ!」だって。執筆者はその号によって色々だけれど、谷川俊太郎さんはいつも名を連ねていて今回の号は…

「ガラテイア2.2」を翻訳された若島正氏の新刊案内のお知らせが届いた。友人の森田氏のジュンク堂でのトークショーのレポートがビーケーワンに載っている。 私は本を読むときに果たしてちゃんとした読み方をしているのだろうか。と時々考える。美大での文学…

 ノルウェイの森

「ノルウェイの森」の再読を始めた。これまで村上作品の長編を再読したことはない。(「またたびだいたたま」とか、ああいうのは何度も読んで笑ってるけど)でも、いつもどの作品も、もう一度読もうと思ってはいる。時期が来るまで寝かせている。というかん…