窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

雑誌

近所の大型書店の雑誌売場に、このところ一連の雑誌が平積みになっている。一連のというのは「アルネ」とか「Re:S」(リスと読むらしい)。クウネル系みたいな雑誌だ。
パッと見るとどれがどの雑誌だかわからないくらいよく似た装丁と、写真の撮り方だ。白っぽくて、ノスタルジックな感じ。手書き文字、全体にシャーベットトーン
雑誌の中では、古いものを大事にしたり、手作りのものの創作過程や作っている人を紹介したり、そういった商品の販売をしてたりする。
私はけっこうこういうものに弱いかもしれない。と、思っていた。実際自分でも家具を作ってみたり敷物織ったり、普通に料理に凝ったり・・・家の中の細々したことをするのが好きなので。それで、ついアルネの別冊の3冊・・柳宗理特集やパン作りや大橋歩の使っているもの特集(アルネは大橋歩さん編集)を買ってしまいそうにもなるのだけれど・・・・。
http://www.iog.co.jp/arne.html
Re:S[りす]

リスは創刊号で水筒特集だ。(特集にするくらい変わったことなのか。水筒持ってるって。)

しかし、なんか腑に落ちない。なんでだろう。書店にあまりに一堂に同種の雑誌が並んでいたからだろうか。
こういう雑誌のキッチン特集には、時々出てくる縫い目入りの晒の布。私も時々縫って布巾にしているが。そうそう、こういった雑誌はなんだか使い込んだ晒みたいに、気持ちがいい雰囲気を漂わせているのだ。しかし、この清潔感はなんだろう。生活の色んなものを紹介しているにも関わらず(というかそのための雑誌なのだけれど)生活感がまるでないように思える。
それでも、やはり次に買うのは柳宗理のヤカンかなあ。と思ったりしながら私はページをめくっていた。(立ち読みだけど)

そういった生活感が感じられない雑誌の、対極にあるのってオレンジページとかレタス倶楽部(ってまだあるのでしょうか)のような雑誌かもしれないなあ。と思う。学校を出たばかりの頃、そういう雑誌の料理特集はよく読んでました。魚料理特集とかね。そういうの。
生活感が無いのはどうも・・って言っても、やはりカラーボックスを組みあわせてこんな棚が・・・・などというのはちょっと・・・。

まあ、そんなことを言っているより、掃除をしよう。と本棚の整理を始めたら、いつものように棚からはみ出していた本を手にとってしまった。
程よく生活感溢れている私の大好きな漫画。いいなあ。最高ですよ。

ジュリアス・クニップル、街を行く

ジュリアス・クニップル、街を行く