窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

日々

軒先の薔薇もすでに終わり、エルダー(西洋ニワトコ)が咲き始めた。 私がハーブオタクだった10数年前にはまだ街中ではあまりハーブの種苗は売っておらず、三春のハーブ園から苗を取り寄せていた。これはその頃のエルダーだ。 以前の清瀬の家でも地植えにして…

池に映った桜は向こう側の世界のようだった。

引きこもっていた数日の間に、桜が咲いたのを知った。つい数日前に通った時はそんな気配もなかった家の裏の池の桜も咲いていた。 東京は満開とラジオで言っていたけれど、昨日はこの辺りの桜はまだつぼみも結構残っていた。この数日が見ごろといった所か。

家探しは続く(その12)

段ボールから本や食器を出して棚に入れて、箱をつぶして黙々と束ねる。週明けまで段ボール箱の回収はないので、家のあちこちに立てかけてある。 なんだい、この無意味な作業は・・・。 徒労という言葉がふさわしいけれど、おかげで多少の本と服を処分するこ…

家探しは続く(その11)

夕べはほぼ詰め終わった本と食器の段ボール箱に囲まれた部屋で、もうすぐこの生活も終わるのだ。と気合を入れなおしながら書類を仕上げ、図面の中で物の配置を考えて後悔がないかを確認した。何となく気が重かったけれど、それは越したくて越すのではないか…

家探しは続く(その10)

電話では下にアトリエ付きで上に2間という家があるのでというので、不動産屋へ行ってみた。しかし下のアトリエは大家さんが使っていて、貸してもらえるのは2階の2間というアパートのことだった。 他にはこれまで私が何度かチェックしてきた家の中を見られ…

家探しは続く(その9)

先日の線路沿いの家があった駅にまた行ってみた。 その沿線では物件がありそうな気もして。 駅を下りるとこの間の仲介の不動産屋が開いていたので一応訊いてみることにした。 私の希望を話し、実はこの間あの家も見たのだけれどという話になったが、線路沿い…

家探しは続く(その8)

朝、ゴブリンから電話がかかってきた。 「みつかったよ!一度見てみてぇ。小平。 もうここしかない。いいところだ。12万。 すごくいい。見てみてよぉ」と。 私が高いと言うと、 「値段なんて関係ない。 もうねえ、値段なんていってちゃ駄目っ! 本当にいいと…

家探しは続く(その7)

古本屋ののお得意さんから薦められた番外編。 街では古くからあるおそらく昭和30年代に建ったと思われる破風建築のりっぱな銭湯を囲む商店の一角が、ずいぶん前から空きっぱなしになっているから、聞けば貸してくれるのではないか?と。それは2年ほど前まで…

家探しは続く(その6)

ショックもいえぬまま家探しは続く。 駅周辺の不動産屋は殆ど行ったが芳しくなかったので、気乗りのしない1件に昨日行った。 毎日前を通る不動産屋なのだが、以前ちょっと立ち寄った時にそこのおじいさんのあまりの押しの強さに閉口して、避けていたのだ。 …

家探しは続く(その5)

週明けに内覧を申し込んでおいた2階建ての家を朝から見に行く。不動産屋とは現地集合だったが、早めに行って周辺を確認した。 ネットで見つけた物件だ。これまでの中で一番広く80平米弱。そして家賃は今より少し高い。けれど駅からも近い。軽自動車も止めら…

家探しは続く(その4)

昨日の夜に友人たちにネット上で家を見てもらい、立ち退きが8月ならまだ間があるし、日当たりもいまいちそうだからなあ。という意見ももらって、もう一度考えることにした。 午前中にもう一度物件を外側から見ると、やはり南東に近くに建物が建った平屋だと…

家探しは続く(その3)

ここは?と思うマンションの画像をググッテいると、マンションの入り口にかかっている管理不動産屋の看板をみつけたので、それをネットで調べて尋ねることにした。 しかしそのマンションはあまりお勧め物件ではないらしい。庭付きと出ていたけれど実はただの…

家探しは続く(その2)

やはりJRよりも私鉄沿線のほうが安くて物件も多いだろうということで、2駅くらいの5,6件の不動産屋にあたってみたけれど、これが全くない。 戸建というのがいけないのなら、マンションで探してみようと思い、家に戻ってネットで検索してみた物件を持っ…

家探しは続く(その1)

4年限定の家は、下にアトリエと称するコンパネの床と壁がむき出しになっている作業小屋がついており、1階にトイレと風呂、2階にキッチンとリビング、そして14畳のコンパネむき出しの屋根裏部屋がついていた。 造り自体も面白かったが、持ち主の物がまだ…

家は全く決まらないまま、ダンボールを積み上げている。不動産屋ではプレス機よりも猫というのがハードルが高いと言われた。 「猫が・・」と話したら、不動産屋の新入社員らしき青年が顔を輝かした。「20歳で盲目なんです」と言ったら、泣きそうな顔をした…

玉ねぎを描いている場合ではないのは、引っ越し先を捜さねばならないからだ。 築50年の風情を持ってはいたが、それなりに満足していたこの貸家に白アリが出てしまい、 大家さんは更新をしないということで引っ越さなければならなくなった。 8月前後までに探…

昨日は濱ちゃんがやっている東林間の絵画教室に見学に行った。見学と言うだけではなんなので私も体験で色鉛筆で描かせてもらった。サツマイモを。 普段水彩画教室でえらそうなことを言っているわけだけれど、なかなか難しいものだ。ただのサツマイモになって…

ガラスペン

何年か前にめりいと銀座伊東屋に行ったときに、ガラスペンを物色していたのだけれど、外国製のそれらはまるで雨細工のように美しく、どちらかと言うと装飾的な感じもして買わなかった。もちろん値段が高かったせいもあるけれど。先日近所の古道具屋の片隅に…

一輪挿

今年も矢津田さんの個展に。ウィークデーだったのだけれど、表参道は相変わらず人が多く、そしてギャラリーも混雑していた。友人の結婚祝いに小さな杯を、私は色々と目移りをしつつ、掌にのるくらいの一輪挿しを求めた。 種ができていた軒先のもみじを。 矢…

20数年前に買ったリュックを修理に出した。ヘルツのC-7M まだこのままでも使えると言えば使えるのだけれど、手入れをあまりしなかったせいで 前のベルトや蓋の部分がひび割れたり切れ目が入ってきている。特に後ろのベルトは引っ張れば切れそうなくらいに伸…

berlin zoo

さて。 私が初めてツチブタを見たのは、前にも書いたかもしれないけれども、1988年ベルリンの動物園でだった。 それまで私はツチブタなるものを知らなかった。 その時はなんとなくボヤボヤとベルリン動物園へ行って、色々な動物を見た後で、上野の水族館のよ…

26年使った冷蔵庫のパッキンが少し前から緩くなってきて、時々開いていたりするのでついに買い換えた。容量が同じもので満足のいくものがなかったので、これまでの175Lよりも容量は大きいけれどサイズと消費電力は同じ。さすが26年を経て進化してた。 エコポ…

作家の島田雅彦さんの呼びかけで、本を買うと東日本大震災の被災地に義援金を送れる復興書店がオープンしました。 賛同した作家達が持ち寄ったサイン入著書を販売するネット書店です。 私はサイン+ミニ銅版画をつけました。銅版画は4種類。各本で違います。…

いつのまにか

春になってた。 おじさんたちも出てきてる。あ、筍もそろそろだな。今年の桜はなんだか寂しい。

10日が過ぎて

連日の報道。 本当にとんでもないことになってしまった。 被災地の友人知人からは無事であるとのメールが、数日経ってあった。 それでも勿論大変な暮らしを続けていることには変わりはない。 そうしてその向こうには何万ものもっと大変な状況の人達と 死者が…

提出作品など

久しぶりに造形の時の友達と集った。何年ぶりだろう。10年ぶりくらいか。その間もN枝君のライブで会ったり、ドボチョン夫婦とは近所だから遊んだりしてたけど、10人くらいまとまってというのは久しぶりな気がする。 皆で提出作品を持っていった。それぞれが…

トイレの絵

久しぶりにトイレの絵を掛け替えた。 家には勿論自分の絵が沢山あるわけだが、自分の作品だから 愛でるというわけではなく、仕舞う場所がないので出ているといったかんじ。 だからと言って、やたらと壁に掛けるのも好まないのだが。 私の絵を買ってくれた方…

落とし物について

電車に乗ってボンヤリと女の人達の顔を見ていると、 皆さまざまな顔をしているのがわかる。まあ、当然のことだが。 それでも化粧には共通する物がある。 それはつけまつげ。いつの頃からか付けている人が多くなった。ナチュラルなものから「これから宝塚のス…

麒麟

先日、といっても少し前だけれど。 日本橋に行った。 日本橋は架橋100周年とかでクリーニングをして、確かに綺麗になっているようだ。 久しぶりに来た私にも解るくらいに。 目的の物はこれ。橋に座っていた麒麟がここに。ドボチョンが手がけたウインドウディ…