窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

家探しは続く(その1)

4年限定の家は、下にアトリエと称するコンパネの床と壁がむき出しになっている作業小屋がついており、1階にトイレと風呂、2階にキッチンとリビング、そして14畳のコンパネむき出しの屋根裏部屋がついていた。
造り自体も面白かったが、持ち主の物がまだそのまま置いてありそちらのほうに目を奪われた。ベッドは壁に立てかけてあり、電話、冷蔵庫などの家財道具。多分すぐに戻ってくる予定だったのが転勤が伸びてしまったのだろうと思われる。屋根裏部屋には自転車と雑誌。リビングに1円玉貯金をしているウィスキー壜。
キッチンが結構豪華な感じ。中央に屋根裏部屋に続くはしごが下りたままだったが、それをあげればかなり広い。
何となくドラマ黄金期に出てきそうな家。不動産屋のお姉さんに言うと「確かに。オダユウジが出てきそうですね、持ち物とかも」と言うので、私はここをオダユウジの家と命名した。

家に戻ってまたネットで他の家を検索したり、不動産屋のお姉さんに見てもらったりしたのだが、他には殆ど物件はない。
4年限定でもいいか。と思い、数日後にオダユウジの家にもう一度内覧を申し込んでいたのだけれど、午前中に管理の不動産屋に訪れた人に先を越されてしまった。
残念なようなそうでもないような。
まあ、まだ2件しかみていないし、期限は8月だし。と思うことにした。