窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

ガラスペン


何年か前にめりいと銀座伊東屋に行ったときに、ガラスペンを物色していたのだけれど、外国製のそれらはまるで雨細工のように美しく、どちらかと言うと装飾的な感じもして買わなかった。もちろん値段が高かったせいもあるけれど。

先日近所の古道具屋の片隅に発見した日本製のガラスペン。
古いもので精度はどうなのか、ちょっと曲がっているペン先もあったり、値段も1000円なのでその割にさほど安くは無いし特に古いものが欲しかったわけではないのだけれど、今竹軸の安価なものがどこも売り切れなので買ってしまった。




これは大正元年創業の佐瀬工業のペンらしい。金モの商標。
PEACE CLASS PENと書かれています。ラベルの形がハートなのが愛らしい。先端が取り外しができて中にしまえる。
こういう細工がそそられる。



これはアルプス萬年筆製。細字、製図、簿記用と書かれているけれど、佐瀬工業のよりも太いかんじ。

陶玉萬年筆製は先端が唯一白い。注意書きもアルプス萬年筆同様。使用後は溝を水で洗い流す由云々。

書き味は太さも色々で思いのほか滑らかに書け、インクの継ぎ足しも普通のつけペンよりも頻繁でなく、大変良うございました。