窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

berlin zoo

さて。
私が初めてツチブタを見たのは、前にも書いたかもしれないけれども、1988年ベルリンの動物園でだった。
それまで私はツチブタなるものを知らなかった。
その時はなんとなくボヤボヤとベルリン動物園へ行って、色々な動物を見た後で、上野の水族館のような半地下の建物に入って行ったのだ。そこは暗闇。どうやら夜行性の動物達の家らしかった。
キョロキョロと辺りを見回していると、壁の一部に船の窓のような丸いガラスがはまっている壁を発見。そしてそこには耳が長くて、目がとろとろとした生き物が丸まっていたのだった。
「君は誰?」と私は尋ねたのだが、その生き物はトロリンとした目を向けるだけだった。
壁の奥を見ると、耳が長くポニーより少し小さいくらいの動物がワサワサとうごめいていて、後になって調べた結果それがツチブタだと言うことを知ったのだった。



上野のツチブタ舎を見ていたとき、世話をしているお兄さんが、移動するツチブタのお尻をぺたぺたと叩いているのを目撃したことが何度かあった。
その時のツチブタは、今は亡きシゲオだったかもしれないが、ぺたぺたとされても特に動じず、ご飯を食べ終ってスタコラと小屋に入って行ったのだった。

そして先ほど、久しぶりにベルリンの動物園のツチブタのことを検索して見たら、こんな画像が!!

信じられん!!こんなになついているなんて・・・!
と、思ったけれど、別になついているわけではないのかもしれない。上野のツチブタと同じように、なんというか「どーでもいいや」ってかんじにも見受けられる
でもこんなに明るい所に出てきてウロチョロしてるなんて、夜行性のはずなのに。
なんだかなあ。いいのかなあ・・・
ただ、羨ましいだけかもしれないが。