窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

2004-01-01から1年間の記事一覧

紙漉き

今年の冬までに収穫した木の皮の束を、ずっと煮ていた。数年前に庭に勝手に生えてきたカジノ木らしき木で、紙をつくるためである。一番最初に作ったときは、売り物のように美しい和紙ができたのだけれど、その後は何となく冴えない。自己流なのでいけないの…

タイの犬

数日前に関東地方は梅雨が明けた。今年は殆ど雨が降らなくて近所の畑もカラカラだ。外の猫も何だかパサパサしている。家の猫は、数歩歩いてはパタンと倒れて放心している。タイの犬を思いだしてしまう。 低血圧は夏が辛い。朝、気温が上がっていると、頭の中…

口琴

矢萩多聞さんの個展を観に夕方から大倉山へ行った。場所は大倉山記念館。 大倉山記念館に初めて行ったのは、多分ここが記念館としてオープンした10年程前だったように思う。私のサイトにも文章を寄せてくれている丹羽氏が、そのオープンを記念した美術展に出…

線と線の間

今回の個展は初日に招集をかけなかったので、大学時代の友人達は、バラバラにやってきた。そうして、皆の話題はアシカ君の病状だった。 「あいつ、どうなのかなあ。手術終わって・・」「まだ飲めないんじゃないの?」「退院したのは一週間前だものね。」しか…

『夢』

一通の葉書が届いた。差出人は以前水彩画教室の生徒だった80歳過ぎのKさんだった。 Kさんは身体を壊し、教室を辞めてから2年以上経つのだけれど、今回の個展に御夫婦で来て下さった。久しぶりにお会いしたKさんは、以前よりも痩せられて声に少し力が無か…

ナベツネ

私はスワローズファンである。このところ、合併問題のことでニュースにアッチャン(古田選手会長)の顔がよく出てくる。先日もキオスクのスポーツ新聞の広告に、ヤクルトがロッテと合併か。などというのがあって、びっくりした。 勿論私は合併に反対だ。裏の…

絵がわかるということ

個展の間に天気に恵まれていたのは、私の日ごろの行いがよいからかと思っていたのだがそうではないようで、今週もよく晴れていた。 個展には色んな人がみえた。一人、見知らぬ老人が来て私に問いかけた。「あなたは自閉症ですか?」と。老人は自閉症児に絵を…

不動産屋

引っ越し先を探している友人から「小平で良さそうな所が見つかったんだけど、決めかねていて・・」と、電話がかかってきた。私の家からそう遠くない場所なので、見に行くことにした。彼女が探しているのは1Kなので物件はけっこうあるので、迷うのだろうと…

絵本

雨空はどこへやら。なんだか夏のような陽射しの一日だった。個展の準備のためにあまり外へ出ることもなく、始まってからは画廊と家を往復するだけの日々だったので、季節感がないままの半年だった。気がつくと、庭は木や雑草が生い茂り近所の畑には既に向日…

個展も終り

お茶の水画廊での個展も終り、今週は残務処理に追われる一週間。作品はサイトにもテキストとともに少しずつアップする予定だけれど、ボチボチ。御容赦ください。 この1年、殆ど缶詰め状態だったため、1年ぶりに会う人も多く、また私のサイトを知って20数年ぶ…

個展に向けて

梅雨の晴れ間というには、朝から夏のような陽射しだ。日光アレルギー系の私としては、怪しい格好の外出の準備。明日から個展が始まる。今週は晴れの日が多いと天気予報で言っていた。人徳ですかね。と鳥飼からメールが来た。勿論その通りである。というわけ…

カッコー

木工2日目。ちょっと可愛すぎる。まだあまり形になっていないのに、我慢できずに青色をちょっとつけてみたらかびが生えたようになってしまった。これはやはり今回はやめよう。 雨がやんでいる間に買い物に出たら、神社の中からカッコウの声が聞こえた。鳴き…

九十九里浜

生家の本棚には、沢山の本があった。父の部屋にはドキュメンタリーのモノクロの写真雑誌のバックナンバーが収められている棚があった。私の写真体験の様なものは、それが最初かもしれない。そこに写っていたものはあまりよく覚えていないけれど、観賞用の美…

池袋

仕事帰りに久々に池袋のハンズに行った。普段ハンズやホームセンターへ行くと、予定外のフロアに行ってしまうのだけれど、寝不足だったため予定の木材売場だけで下に降りた。が、やはり降りながらも目に入ったのは健康器具。各種マッサージ機の棚。家に帰る…

ハケ

今年もカッコウの声が聞こえ始めた。近所のお寺の大きな木にいるらしい。しかし私の家の庭にやって来るのは、カッコウではなくてヒヨドリだ。この時期になると朝ギャーギャーと言う声で起こされる。色づき始めた木イチゴを狙っているのだ。葉っぱの陰に出来…

しっぽのクレヨン

本日はピガ画廊へ行った。城野由美子さんの個展のオープニングである。朔北社の編集部全員が集まって賑やかだった。作品は「しっぽのクレヨン」(朔北社刊)の挿画と新旧取り混ぜての銅版画の展覧会である。1枚の画面の中に水辺の生物や植物がいくつも描かれ…

猫さん

佐野さんからのメールに新しい猫の話が書いてあった。私の所の猫と同じ模様(つまり賢治の「猫の事務所」の竃猫)の外猫が、子供を産んだという話。その猫はまだ子猫だったのに元気な子を4匹も産んだのだ。いや、めでたい。そうして、その猫の母猫もまた何匹…

2004年の個展

6月に入って梅雨が近づいてきたのか、夕べ強い雨が降ってから急に気温が下がった。この数日暑くてムームーと怒っていた猫も、今朝は大人しい。毛皮を着ている身では、暑いと大変なのだろう。室内は昨日と10度近く違う。 さて。ようやく個展のお知らせです。 …

アオダイショウ2

携帯にアオダイショウの画像が入っているのも、なんだかイヤだ。私は殆ど携帯のメール機能を使っていないし、携帯のアドレスを知っている相手は限られている。その人たちにこれらの画像を送ってみようかと思ったけれど、それが許されるのはさらに限られる。…

アオダイショウ

今朝もまだあちこちが怠くて、仕事から帰って仮眠をしていた。私の場合、風邪の症状がまったくないのに朝起きるといきなり8度くらいの熱が出たりする。9度までなら一応日常生活はできるのだけれど、それを越えるとかなりしんどい。健康な時は何もしたくない…

風邪也

別に運動をしたわけではないのだけれど、数日前から身体が痛いなと思ったら、リンパ腺があちこち腫れている様子で痛みが移動する。夕べは腰が痛かったのだが、昨日は鎖骨の辺りに激痛が走り、脇の辺りも痛くて右手で鞄も持てない状態になってしまった。しか…

Who Am I Now?

先日『柴田元幸と9人の作家たちナイン・インタビューズ』を買った。これは英米文学の作家+村上春樹=9人に翻訳家の柴田さんがインタビューをしたもの。インタビューを録音したCDがついていて、その英文も載っている。(勿論柴田さんの日本語訳も見開きで載…

トニー君

木村拓哉カンヌへ。とばかり報道されているようだけれど『2046』といえば、トニー・レオン。日本公開は秋だと言うので、楽しみなのだけれど、キムタクが出るから混むかもしれない。

制作

怠いのは気圧のせいかと思ったら、寝不足だったようだ。久しぶりに午睡をしたらすっきりした。天気の方はすっきりしないまま夜半になって本降りになっている。 こう長い間朝から晩まで絵を描いていると、なんだか中毒症状なのではないかと思われる。お絵描き…

カミツキネコ

台風が来ているそうで、東京も雨降り。気圧が低いと怠くて眠い。電話の友人達も男女をとわず皆「だるーい」「ねむーい」と言っているので、電話を終えると眠さが倍増してくる気がする。 そんなわけで週の初めに気晴らしに美容院へ行った。美容院には猫が3匹…

梅雨

雨。なんとなく梅雨を感じさせるような種類の雨だ。それもまた懐かしい気持ちがする。くんくんと鼻をひくつかせると、フィトンチッドの香りがする。 庭の木はうっそうとしている。冬の間に切ったのだけれど、それでもだいぶ伸びている。本当ならまったく剪定…

バレーボール

昨日は6キロもある猫を担いで歩いていたので、さすがにぐったり。今は少し休息するときです。と、ジョナサンが言うので今日は半日お休みをして、少し部屋の掃除。仕事の後で夜からはバレーボールを見てしまった。観客席にTさんの姿が・・と、思ったら卓球の…

気弱なグレーハウンド

実家の猫の具合が悪いというので、いつもの動物病院へ連れていった。待合室にグレーハウンドの子供がいた。子供といっても、普通の大型犬位の大きさだ。耳をカットしたばかりで、上に持ち上げて結んである。耳をカットして発熱をしているというせいなのか、…

青山辺り

「お金があってどこでも好きなところに住めるとしたら、何処に住みたい?」と、以前知人に訊かれた時、私は「青山か銀座か都心で大きな庭があって、外から見えないくらいの木が生えているような日本家屋を建てて、別に中古でも良いけどそういうところ。」と…

香月泰男

「日曜美術館」を時々見るようになったのは、ここ数年のことだ。子供の頃には何とはなしに見ていたのだけれど、自分が絵を描くようになってからは、あまり見なかった。数年前、水彩画教室の授業の際に一人の生徒さんから「先生、先日の『日曜美術館』ご覧に…