窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

Who Am I Now?

先日『柴田元幸と9人の作家たちナイン・インタビューズ』を買った。これは英米文学の作家+村上春樹=9人に翻訳家の柴田さんがインタビューをしたもの。インタビューを録音したCDがついていて、その英文も載っている。(勿論柴田さんの日本語訳も見開きで載っている)なかなか英米文学を読む機会がない私なので、外側から入っていく。この中で読んだことがある作家の一人であるカズオ・イシグロの話が興味深かった。
Who Am I Now?・・・カズオ・イシグロは、常に自分の中の声をアップデートし続ける。という。作家が若いころに自分の声をみつけても、それは今の声とは違うものであるはずだから。
そう。。物を創る人は、今の自分の声を見つけなくてはいけない。見つけたスタイルに囚われすぎては本末転倒なのである。だが、私の場合は、逆に見つけてはぶち壊しながら進んでいくような気がしないでもない。