窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

週末からまた忙しくなる。個展の前にハードな仕事をしたくはないけれど、そうも言っていられないわけで。

今日は版画の下絵を描いていた。ただ、立っている人の顔。いくつ描いても気に入らない。一本の線の具合で全然ちがってしまうのだ。希望を持ちすぎている顔になってしまったり、絶望的な顔になってしまったり、ちがうちがうちがうのだ。と、私は版画の机と本棚や台所の間を、色んなものをまたぎながら何度も往復する。積み上げてあるパネルや、絵の具の缶、工具箱、ストーブの前で大きく広がっている猫など。