窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

引っ越し

朝起きたら、いつものようにアーニャとタロウとぎいやんが縁側にいたのだが、脇の物置はもぬけの空。子猫は1匹もいなくなっていた。
周りを見渡しても落ちてないし、襲われた形跡もない。
アーニャはバクバクとご飯を食べ終えて、空っぽの物置の辺りでぼんやりしていた。そうして、小一時間ほど家の周りをウロウロしていたが、1件置いた隣の家の方に去っていった。私が子猫だったアーニャ達を初めてみたのはその家の方角からだったので、もしかしたら自分が生まれ育った場所に連れていったのかもしれない。
そういえば、昨日他所の雄猫数匹が代わる代わるやってきて、アーニャ一家をのぞき込んでいたので私が追い払った。軒下の物置は他の猫が訪問できるような位置にあるし、段差もないので、活発になってきた子猫達が転げ落ちそうになるので危険を感じたのかもしれない。

昔、友達の家のベッドの下に、野良猫が子供を産んだけれど、友達が毎日「どこかいけー。川に流すぞー。」と脅していたら、1週間ほどで引っ越ししていった。というのを聞いたことがある。私は別に脅しはしなかったが困っていたのは確かである。TOKUさんたちに貰ってもらおうと思っていたのだが、もっとも4匹一緒というわけではないので、残った子の貰い手も見つけなければならない。もう少し大きくなったら、写真を撮りまくってあちこちに・・・と考えていたので、引っ越してくれたのならその方が私としてはありがたい。
そう、確かに私は昨日、新しく導入しなくてはならないかもしれないソフトと、OSの支払い価格と、猫達の注射と手術の計算で何時間も電卓を叩いていたのだった。

ただ・・・私の恐怖は、少し大きくなり、離乳期にさしかかったころにまたゾロゾロと連れて戻ってくることだ。アーニャやタロウやぎいやんのように。そのくらいになっていると、また人に慣れなくなっていてそうして貰い手もいないことだろう。ぞ・・・。


昨日のアーニャ一家。