窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

カワセミ

また軒先にカワセミがやってきた。
今の季節の水路は水深というほども水がなく、10センチあるかないか。しかも落ち葉が溜まっていて流れが澱んでいる。魚など居る気配はなくて、時折アメンボが浮かんでいるくらいなのだけれど、今回もカワセミは注意深く長い間水路を見ていたり、ときおり水面に向かって飛んだりしていた。



カワセミや蝶やその他に、一番反応するのはタロウだ。餌を食べていてもハエが気になって餌の皿を思い切りたたいてひっくり返してしまい、並んで食べているぎいやんやアーニャに驚かれたりしていることもある。縁側で虫を捕まえようとして転がり落ちたりするくらいだから、カワセミなんて捕えられるはずもない。カワセミの方も余裕たっぷりで、タロウが匍匐前進で近寄っていることなど全くきにもしていないようで、2、3度水路に向かって飛んでから、甲高い声で鳴きながら飛び去っていった。

猫がいるので、その前までよく来ていた小鳥たちは、多少は少なくなってしまった気もするけれど、それでもヒヨドリはもちろん、四十雀ジョウビタキもやってくる。タロウの鈍くささを小鳥たちもわかっているのかもしれない。