窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。


家の猫は16年前に所沢の公園で泣き叫んでいたのを保護した子だ。これは顔がおじいさんのようだが、れっきとしたコサビ時代。
1匹だけで飼っているので、けっこう我儘なのだが他の猫に対して絶対受け入れないというわけではない。
とはいうものの、もう高齢なので他の猫と住むのは無理だ。猫は複数で飼うほうがいいと、よく言われる。外の猫達を見ていると、家の猫も最初から複数で飼っていればよかったと思う。



家の猫が子供の頃は、ヒロエサンの家のチャトラのハナに遊んでもらっていた。ハナは成猫で、家の猫の教育をしてくれていたのだと思う。ハナが居なくなってしまってから、ヒロエサンの家には新しい子猫のサヤタがやってきた。その時には私の家の猫は大人になっていて、逆にサヤタの教育係兼友達のようなかんじで、仲良くしてもらっていた。
ヒロエサン達が引っ越してから、程なくして病気になったりしたので部屋飼い猫になった。なので、他の猫とは窓越しに接触するしかなくなった。



朝、窓を開けると、ドヤドヤとぎいやんとタロウが相変わらず当然のように入ってきて、その場でゴロゴロと転がったり伸びをしたりしている。私はすぐに追い出すのだけれど、、家の猫はびっくりして固まってしまい、後ずさりをして一目散に階段を駆け登ってしまう。
ぎいやん達は外へ出されても、別になんということもなく、縁側でゴロゴロとしている。
ぎいやんは機嫌が治った様子で、今日はアーニャが居ても、おずおずとだが一緒にご飯を食べていた。食べ終わったらいつものようにタロウと一緒に寝ていた。
しかし、外で寝ているというのに、タロウのこのくつろぎようは、いかがなものか。