窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

朝でも夜でも、掃き出し窓を開けると、猫達がドヤドヤと入ってくる。
まるで暖簾を出そうと引き戸を開けたら、「うーぃ、飲ませろー」と、酔っ払いがドヤドヤと入ってくるかのごとく。
もちろん私が窓を開けきってから外にけ散らすのだが、その時間差の間に猫達はクネクネ足踏みをしながら鳴いていたり、すかさず絨毯の上にこれでもかといわんばかりに長くなってゴロンゴロンと転がったりしている。

家の猫は目を丸くして、後ずさりをして見ている。最初の頃、外の猫が無遠慮に近づいていった時に、爪を出さずにはたく真似をしていた。彼女は他の猫にもフレンドリーなタチではあるのだけれど、もう今年で17歳。歳の差はいかんともしがたい。