窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

猫に噛まるる

少し前に猫に噛まれた。外の猫ではなく家の猫だ。しかも顔。

  「ワタシです。」


枕を並べて寝ていたときに、猫はゴロゴロ言いながら、がぶりと私のほお骨辺りに噛みついた。いつもなら噛みつかれる寸前に顔をよけるのだけれど、その時は私もウトウトとして油断していた。猫は噛みついたままで、ムームーと言い、頭をこづいたらようやく離れて逃げていった。朝起きたら歯形がついていてみみずばれのようになってしばらく取れなかった。
数日後、電話をかけてきたM亮にその話をすると、それが悪いことだということを猫にきちんとわからせないからダメなんだ。と言う。そうして、当然のことながらM亮夫婦が飼っていたゴックンの話になった。ゴックンもゴロゴロ言って噛む癖のある猫だったらしい。そういうときには、M亮はゴックンの頭を口の中に入れて、それが悪いことだとわからせたのだという。

う〜む。その話は以前から聞いてはいたが、それでは一度家の猫で試してみよう。と、猫に向かい合ってみて気がついた。
家の猫は中型くらいで普通の大きさの猫だけれど、それに比べるとゴックンはもっと大きかったと思う。頭もテニスボールのひとまわりくらい大きかったように記憶している。それに耳がついているわけで・・・。はたして口の中に入るだろうか。私の聞き間違いで、ゴックンの口の中にM亮が頭を入れた・・ということではないだろうし。
いずれにしても、私は顎関節症なので、家の猫の頭を口に入れることなどできないのだった。



フラッシュをたいてないカワイイ顔の方のワタシ。瞳が劇画系。