窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

薔薇

友達の家に持って行こうと思ったけれど、お花は沢山あるからというので家に置いたままの薔薇。やっぱり翌日出がけに持っていこうかと思いつついたら、もう開き始めてしまいそのまま玄関の壺に生けてある。きっと見るたびに気持ちが塞ぐことはわかっていたけれど、わざとそうして置いている。
去年のお花見の時にトイレを借してもらいに、他の人達とワイワイ言いながら初めて行った彼女の家の庭を見たら、鉢植えだったか植えたばかりだったのか淡い色の花の写真の札がついたままの薔薇があったのを見かけたのだ。今年は咲いたのだろうか。見ることができたのだろうか。


久しぶりに行った庭には草が生い茂り、訪れた人達が途方に暮れたような顔で佇んでいた。