窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

 久しぶりに筍を食べた。地元でとれたものを八百屋さんで売っているのだ。私が10数年前に住んでいた所は周囲が竹林だったので、朝取りの筍を農家の大家さんが出している売場や、近所の八百屋で散歩帰りに買っていたものだ。今の住居は住宅街で竹林もない。久しぶりに以前の住居の方角の八百屋さんで買った。ぬかを入れて茹でて一晩置いてアクを抜く。美味しい。スーパーで売っている水煮とはえらいちがいだ。茹汁はぬかが入っているので、床を磨いてみたら、ピカピカに。嬉しい。嬉しいが腰が痛くなりそうなので半分でやめた。

 庭(というか軒先のスペース)のツツジが満開だ。ツツジはあまり好きではない。しかもよくある色。所謂ボタン色を薄めたようなピンクだ。枝ごと少し切って玄関に生けてみたら、それ程悪くなかった。外で陽の光を浴びて咲いていると、なんだか強すぎて健康的で。色のせいもあるのだろう。少し暗めの室内の方がひっそりとしていていいように思えた。最初から植わっていたバラも、凄い勢いで伸びている。ツルバラなのかも。一応肥料をあげてみていたせいか、蕾もたくさんついていて、緩んだところから紅い色がのぞいている。楽しみだ。