窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

観葉植物

私の庭いじりは所沢にいた時から始まったのだけれど、観葉植物は家の中に置いておいても寒すぎて冬を越せずにいつも息絶え絶えだった。
どの家も古くてすきま風が吹いていたし、所沢にいたっては北側が川で冬の朝は台所のシンクにツララが生えているような、まるで造形大のアトリエ状態だったのだ。
清瀬の家はまだ良かったけれど、それでもアロエでさえ冬を越せずに枯らしてしまって、唯一このパキラだけが生き残った。これは私が最初に今住む町で暮らしていた頃からのものなので、20年以上になるか。毎年ビニール掛けをして室内に置いておいても冬になると殆どの葉が落ちてしまっていたけれど、ここへ越してきてからは、とりあえず元気。そうして、今年の春からはドンドン伸びて天井につきそうな勢いだ。枯らさないようにするのがやっとで、樹形を整える余裕がなかったものだから、なんだか妙な形だ。どうしたものか。

しかし、やっぱり地球は温まっている。少しずつ南へ越してきたからというせいもあるかもしれないけれど、越してきたばかりの時は雪も多かったし霜柱もあったのに、この数年は殆ど見ない。東京も徐々に亜熱帯へ移行するとしたら来年は何か育ててみようか。バナナとか。