窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

気がつくと当然のことながら12月も半ば過ぎた。仔猫を拾い、個展が始まり、終わり、そして普段の暮らしに戻った。なんだかワープしてしまったような感じのあっという間のことだった。
その間、ギイヤンも古傷から化膿していた箇所が脊髄を圧迫して、下半身マヒになったりでもう大変だった。
しかし、そんなギイヤンも先生の処置のおかげですっかり良くなった。生まれつき食の細い子だと思っていたら、ずっと調子が悪かったせいだったようで、今ではタロウのご飯まで横取りするような勢いで、おっさん2号になってしまった。


その後の仔猫の様子のメールを酒井さんからいただいた。初日はご飯も食べず水も飲まず、翌日はそれはクリアしたものの真夜中から遠吠えを始めたとのこと。これは驚きだ。仔猫はこれまでほとんど鳴かなくて、クーとか、ニャーという口の形をするのだけれど、空気が漏れたような声しか出さなくて、鳴けないんじゃないかとおもったほどだったのだ。(母親猫もあまり鳴かなくて、その声は子供用のアコーディオンのミの音をゆっくり鳴らしたような声だ。)
家の猫やギイヤンに比べれば順応性のある子だと思うし、なかなか懐かなかった子が懐いたりすると可愛さもひとしおなので、そんなことも楽しみながら育てていって欲しいと思うのだった。