窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

一難さってまた一難

今朝、窓を開けたらタロウとギイヤンがいつものように、一軒向こうの家の庭から出て,私の家にやってきた。
ギイヤンの後ろからデカオさんが追いかけてくる。そして、追われているギイヤンの足がくねくねしている。・・・・
必死の形相で細いコンクリートの桟を渡って、私の縁側までたどりついたギイヤンを持ち上げて歩かせてみると「猫ちゃん」と同じで、足がくにゃくにゃになっている。
なんなんだぁーーーーー。


(手前がギイヤン)
それでもいつものようにギイヤンとタロウはご飯を食べた。先に食べ終わったギイヤンは前足で私の足にしがみついていたけれど、私が外に出ると一緒に出てきて縁側でくつろいだり、水を飲んだりしている。触っても別に痛がりもしないのだが,ちゃんと歩けない。

私がいるので、デカオさんは諦めて別の方向へ去って行った。私は仕事に出かけなくてはならず、ギイヤンを家にいれては置かれない。それを察知したのか,ギイヤンはまた元の一軒置いた家の庭へとタロウと一緒に帰って行った。
ギイヤンはその家ではタマと呼ばれている。タロウはボスと呼ばれているのだ。先日「猫ちゃん」のことを訊きに行ったらその家のおばあさんが教えてくれた。「猫ちゃん」は「ちびちゃん」言われているのだ。おばあさんは「ノラだから餌なんてあげないし,家にも入れない」と言いつつ,話の端々に餌をやったり家にいれたりしたというようなことも言い出す。そんなに歳をとっている風ではないのだが,どうも上手く話が通じなかった。
とにかく最後に「怪我なんてしてもノラなんだから放っておきなさいよ。」と言われた。放っておけない私は、「猫ちゃん」を病院に連れて行ったのだけれど、ギイヤンは大丈夫だろうか。夜になっても,タロウだけでギイヤンの姿は見えないので、多分その家にいるのだろうと思うけれど。タマになってかわいがられて欲しい。