窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

顎関節

顎関節症を緩和させるためのマウスピースが出来る日なので、歯科医へ。これを着けて寝れば少しずつ良くなるだそうだ。実際、朝起きたときが一番調子が悪いのは、寝ている間に歯を食いしばっているからだろうと思われる。先生に言われて取り付けて、歯をガチガチと合わせてみる。ふうむ。獅子舞の獅子になったような気分。これを着けて寝て、熟睡出来るか否かが問題だ。
日常でも相変わらず気がつくと歯を食いしばっている。マウスピースよりも口で息をすれば、口を開けるわけだから歯を食いしばらなくなるのでないかと思ったりもする。だとしたら、鼻に栓をすればいいのではなかろうか。いずれにしても見苦しそうだが、家で仕事をしている分には問題はない。ただ、忘れてそのまま外に出てしまう恐れがある。

近頃は、朝の冷え込みもだいぶ緩んで、7時過ぎには縁側にも陽が当たるようになった。雨戸を開けると毎日のように母親猫が日なたぼっこをしている。母親猫が単独で、銀吉と駒子の姿は見えない。死んでしまったのか、それともどこかで飼われているのか・・・。夕べは久しぶりに雄猫の鳴く声が聞こえたので、夏になるとまた子猫が現われるかもしれない。
母親猫を、いつまでも母親猫と呼ぶわけにもいかないので(ま、私としてはですが)「こなつ」と命名した。気の強そうなオキャンな感じだし、何より子供達が「銀吉」と「駒子」であるので「ナタリー」と名付けるわけにもいくまい。もっとも、銀吉や駒子も私が勝手に名付けているわけだから、「こなつ」を「ナタリー」にしたら、「銀吉」を「ジャック」「駒子」を「マリー」と名付ければいいだけの話だが。
朝、こなつがいるので、とりあえず家の猫の残りご飯をあげたりしていると、家の猫が起きてきて網戸にへばりついて、こなつに向かって「ウルルルル」と親愛の情を表している。しかし、たいていの場合こなつは無視をしてひたすら餌を食べている。すると、家の猫は思いだしたように台所に走っていって、自分の餌の器に顔をつっこむ。そうして何も入っていないのに気がついてキョトンと私の顔を見上げる。彼女は飼い主ににて寝起きはアホなのだった。