窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

殉教者

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俳句的日常の3月号は山折哲雄さんのエッセイです。山折さんが長崎に旅をした時に出会った西坂公園の舟越保武作の日本二十六聖人のブロンズ像について書かれている。
引きこもり生活の私は長崎を訪れたこともなく写真で見るのみだったが、挿絵にそのまま描いても仕方ない。最初は二十六聖人が見ているだろう長崎湾を描こうかとも思った。それはおそらく、紹介されている句碑に刻まれた水原秋櫻子の俳句にも詠まれているものであり、山折さんも見ている風景だろう。
長崎湾を見てきたつもりで何枚かエスキースしてみたけれど、しっくりと来ず。

エッセイの中で、山折さんは二十六聖人に想いを馳せている。句碑に刻まれているもう1人の下村ひろしの句ももちろんそうだ。
それで私も俄に調べてみた。26人の中には子供もいて、皆殉教を喜びとして処刑されたという。ハライソを信じて。

傷ついた鳥が荒れた地から天に昇っていく様子を描いた。喜びに満ちた顔には出来なかったが。遠くに夕陽と波。