窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

ぬか漬け

醗酵モノが好きなの。と、ヒロエサンは言って、毎年味噌を作っている。私の家は味噌作り向きだと言われたけれど、今年も挑戦はしないことにした。そのかわり久しぶりにぬか漬けを作作り始めた。引っ越しの時にぬか床を駄目にしてしまったので、新たに。先日、駅の構内のオニギリ屋さんでぬかを分けていたので一袋貰ってきて、入りぬかを作るところから始めた。やや香ばしくなりすぎたが、昆布や椎茸や唐辛子を入れてとりあえず捨て漬けをし、2日経っても香ばしさが消えないので、泡盛を入れてみたら効果てきめん。さすが黒麹。
しかし、私はそれほど漬物が好きというわけではないのだ。酸っぱい系もやや苦手だ。作るのが面白いのと、ただ、それだけを食べるのはあまり・・というところで、ピクルス入りのスパゲッティ等は好きなのだ。

先日、造形の同期のN君の家具の展示会を見に新宿のオゾンへ行った。待ちあわせたM亮と3人で昼ご飯を食べたときのこと。二人は牡蠣となんかのスパゲッティを頼み、私はオリーブとケイパーとアンチョビのスパゲッティを頼んだ。
私のスパゲッティを見て、N君が「なんだ、それ。ケイパーってどれだ?あ、俺の嫌いなやつだ。アンチョビか?うわあ、やっぱりそれ俺の嫌いなやつだ。オリーブ、うわー、それ、俺が全部嫌いなやつだ。」と、言いながら自分のスパゲッティをほお張っていた。
学生時代よく一緒に遊んだN君とは、卒業してからはゆっくり会うことがあまりなかったので、忘れていたのだけれども、(ああ、そうそう、こういう奴だったよ。まったくさあ。)と、思いだし、同じスパゲッティをほぼ同時に平らげて並んで座っているN君とM亮を前にして、二人が同じ誕生日だというの思いだしたのだった。