窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

世の中は祭日。駅前のお豆腐屋さんはお休み。それ以外はこのところの私の暮らしにはさほど関係がないかもしれない。それは猫たちも同じで、今朝もハケが縁側にいて私を見上げている。私が見ているといつまでも見上げていて、首が痛くならないかしら。と心配になる。
個展用の作品を数日前から組み立て始めた。そうしないと、画廊の壁の展示スペースとの兼ね合いを測れないからなのだけれど、身動きできない状態になってしまった。だいたい画廊に展示する数を私のこの狭い部屋で並べることは不可能なので、重ねて立て掛けたりしてはいるのだけれど、それでも大変なことになる。台所へ通じる部屋の入り口は、以前からプレス機のハンドルがあって狭いのだけれど、さらに狭くなって真っすぐ通れない。そこへもってきて、私が台所へ向かうと寝ていた家の猫がご飯をもらえるのかと慌てて飛び出してくるので、何度ぶつかったことか。どうして一緒に移動しようとするのだろうか。冷蔵庫を開けると一緒に覗こうとするし。そのうち頭を挟むのではないかと私は冷や冷やするのだけれど、本人は何だか張りきってこま犬のように座って鳴いている。