窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

寒いのに、猫さんたちはウルウルルルルと、夜中も騒いでいる。
アカは今年もハケを追いかけている。ハケはおそらく手術をされて捨てられた猫のように思えるので、アカがウルルルと近寄ってきても、キュッキュッと無邪気にじゃれるだけだ。アカは「どーしたらいいのかわからんッ!」というような表情で、ハケのそばでじりじりとしている。アカはハケにじゃけんにされると、網戸のこちら側で見物している編集委員にまでウルルルルと迫ってくる。大ちゃんも騒ぎを聞きつけて、植木鉢の隅にたたずんで見物している。どうもこの界隈にはメス猫がすくないらしい。