窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

里親

タロウやぎいやん、そして子猫達は,近所のあちこちで見かける。勿論私の家の縁側や屋根に上っていることもあり,数件先の家のガレージで遊んでいたり。飼われているというよりも、地域猫なのか。しかし・・・

午後、私が洗濯物を取り込むので縁側に出ると、軒下のあたりにいた子猫達がパッと散って逃げた。まあこれはいつものことだ。
でも、一匹だけ逃げられないでオタオタとしているのがいる。数歩歩いても座り込んでしまう。タロウたちと同じ模様の子だ。



この、タロウの後ろに写っている子。



つまみ上げたらけっこう栄養状態も良くて毛並みも奇麗だ。しかし,歩けない。
後ろ足を伸ばすとウウ・・・と唸る。
下に置いても前足で数歩進むだけでヘタってしまう。
でどうしたかというと



病院に連れて行った。

歯医者に行く途中でみかけた、小さな動物病院だ。レントゲンを撮ってもらったら何と,後ろ両足骨折しているという。
折れ具合が斜めになっているし手術が必要とのことで、放っておいたら敗血症になって1週間くらいで死ぬかもしれないと言う話だった。

ノラであること、家には16歳の猫がいること。基本的に私は飼えないと言う話をしたのだけれど、いずれにしても,放っておいたら死んでしまう訳だし、結局手術をお願いして,その後のことはまた考えることにした。
ウウウウウウ唸りたいのは私だ。経済的なことを考えたら,こっちが貧血を起こしそうだ。
帰りにもらった診察券をみたら、名前のところに「猫ちゃん」と書いてあって、なんだか悲しくなった。イ、イカン。情を移しては。