窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。


蒸し暑くて4時に目が覚めて、そのまま起きてしまった。暑くなりそうだったので、今のうちに植木に水をやり、軒下の水路周りの草むしりの続きをやった。でも少しやっただけで疲れてまた続きはいずれ。
今年の梅雨は東京は雨が少ないようにも思うけれど、それでも水路の水かさは多少増えた。音がするぐらいに流れているのは久しぶりだ。チャプチャプといっているので覗き込んでいたら、上流からカルガモが一羽流れてきた。水路の元はカワセミのいる池なので、湿地で餌をついばんでいるうちに流れてきたのだ。私はびっくりしたがカルガモもびっくりだろう。こんなすぐ近くに人がいるとは思わなかったに違いない。私もそれ以上驚かせてはいけないと思ってじっとしていた。カルガモは流れにのったまま私の家の前を通っていったが、すぐに最近生えてきた水草の小さな茂みに行き当たってしまったので、クルリと向き直り元来た方へ、つまり流れに逆らって泳いで、また私の家の前を通っていった。水面は私の立っている位置から7,80センチに下にあり、警戒しているカルガモはかなり首を傾けて私を見ながら泳ぐのでなかなか前に進まない。じろじろと私を見ていて、人相(?)が悪くなっている。それでもどうにか泳ぎすぎ、後は一目散に上流めがけて去っていった。