窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

その後、母猫も子猫達も見かけなかったのだけれど、今朝、縁側の磨りガラスに小さな黒い頭が映った。ガラスに鼻をつけて、こちらの様子を伺っている。そっと窓を開けてみると、急いで飛び降りたその猫は、頭の小さな大人の黒猫だった。
ちょうど家の猫も起きてきて来たので、私たちは一緒に草陰に隠れている黒猫を眺めていた。
頭が小さい。というか・・・私の家の猫の頭が大きい。
黒猫が去った後、台所で家の猫が餌を食べている様子を、私は上から見てみた。いつのまにか、餌用の丸い小鉢と頭の大きさが同じになっている。いや、顔が入りきらない様子だ。だから、いつも最後の数粒を残しているのだろうか。
餌を食べている猫の後ろ頭を掴んだら、ムグムグゥと鳴きながらも食べ続けていた。