窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

薄曇り。今日も雪になるとかならないとか。体調もいまいち。「世界の終り・・・」はやはり私のベストワンだった。その下を買いに行くだけだったのに、案の定他にも数冊購入。昨年末に出た雑誌エソラを買ってみた。出た当初立ち読みをしていて、最初に小熊秀雄の詩が載っているのでびっくりしたものだ。まずは伊坂幸太郎「魔王」を。新しい人の小説は読んだことが無くて伊坂幸太郎も初めて。「魔王」・・・これって、キングの「デッド・ゾーン」(?)「デッド・ゾーン」は映画より先に私は原作を読んで涙したものだったけれど、「魔王」は・・・読みやすいけれど消化不良というかんじ。でもどっちが好きかというと「魔王」かも。アメリカと日本の違いなのか。

 「世界の終り・・・」の下を読んだ後だからよけいになのか、他の小説はなんだかな。だった。他に吉本隆明大塚英志の対談を拾い読み。富野由悠季監督の解説が面白かった。

 近所のカツラが後ろにずれたような模様の猫に、久しぶりに遭った。また、斜め向かいの桃の木のある家のおじいさんと歩いていた。ぽってりとよく太っている。年齢を尋ねたら10歳くらいだという。あ、勿論おじいさんに尋ねたのだけれど。年齢は家の猫と同じくらいだというのに、なんておっとりとした風貌の猫だろうか。おじいさんは芦屋小雁に似ていて、猫は京塚昌子に似ていた。