窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

お隣に貸してあった本を旦那さんが返しにきた。「夕ご飯まだだったら、どこかへ食べにいきませんか。」と言われた。今日はビールでも飲みながら阪神×巨人戦を見たかったのだけれど。いやいや、本当は仕事をしなくてはいけないのだ。
しかし、例によってNOと言えない私。車に乗って隣町のウナギ屋へ行った。お隣さんは、以前はどこかの会社の社長さんだったのだそうだ。バブルがはじけて、会社をたたんで東京に出てきたという話。「知り合いの娘は漫画家で、年収2000万くらいらしいですよ。」と言われる。「はあ。」と私。「漫画家は儲かりますからねー。」と、嘘を言った。私がもし漫画家でも、こう怠け者では儲からないだろうな。お隣さんは驚くような早早さでウナギを食べるので、わたしも一生懸命急いで食べた。味があまりわからなかった。