窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

軟禁状態。誰に・・と言うわけではなく、個展の制作が間に合わなくて。

風が強い季節になってしまった。今の時期は周りの畑もまだ作物ができていないし、乾燥しているので表面の土はさらさらで、それが舞う。口の中までザリザリするかんじ。もちろん家の中にいても。
そんな風をものともせず、早朝からアカとパルルが縁側で言い争いをしていた。「ウルルルゥ〜」と変な声でうるさい。窓を開けて覗いたくらいではやまないので、仕方なく出ていくと、アカも一緒にアタフタと逃げようとする。パルルと同じ方向に逃げるので、ぶつかって「ウルルル」と始まる。それでもアカは途中で気がついたらしく立ち止まり、パルルが逃げていくのを見送って縁側に戻ってきて「やれやれ、まったくいやになりますなあ」と、私の顔を見て目を細めた。嫌になるのはこっちの方だ。もっとリンとしていてほしいものである。アカの方が絶対に腰がひけていた。