窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

床の机と床の椅子

小雨の中、忙しいドボチョンに頼んで淡路町画廊へ車を廻してもらった。建物が無くなってしまうのでお茶の水画廊の小部屋で使っていた机と椅子などを頂きに。
25年以上前に今の場所にお茶の水画廊が移転してきた時、その建物の床と柱を使って作家の加茂さん達が作ったこの机と椅子はずっとお茶の水画廊の小部屋に置かれ、皆それぞれの個展の時、ここで画廊のIさんが入れてくれた美味しいお茶を飲み、誰かが持ってきてくれたお菓子を食べ、お酒を飲み、誰もいない時にはドアを閉めて眠ったりした愛しい机と椅子だった。

足が柱で椅子の座面や背もたれと机の天板も元は床だった分厚い一枚板でできているのでとても重いくて大きい。
去年の個展の時に私は、ずうずうしくも欲しいと願い出て、家の寸法を測ったりもしていたけれど実際運び込んでもらうまで心配だった。
しかし、ジャストサイズ。一瞬にして家が画廊の小部屋に。後ろが窓なのでちょっと違う。壁にしちゃおうかと思ったけれど再現してどうする?というか。これでも十分お茶の水画廊ごっこができそうだ。
さっそく谷口さんのお皿を置いてみたりして。いつか画廊が再び開かれるまで、私の家にしばし。