窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

そしてそんな「場」の一つだった淡路町画廊は今週が最後の展覧会。そうそう、随分前だけれど井桁さんの人形が登場する映画のロケに淡路町画廊は使われたのだった。
青山を回ってきたので久しぶりに淡路町駅から外堀通りを通った。
もうとっくに八尾商店も丸善セブンイレブンも中華料理店も無く、通り沿いに白い工事用の壁が作られている。私が通った時車を通すため一部の壁が取り除かれて、そこから淡路町画廊の蔦の外壁が見えた。
角を曲がったらお茶の水画廊の前に軽トラックが止まっていて、先週まで展覧会をやっていらした谷口さんが搬出をしているところだった。
淡路町画廊は蔵の3階まで和田エイさんのパステル画が並んでいる。ここにこんなふうに絵がかけられているのを観るのも最後だ。
今日も時折地震のように揺れる。壁の向こうには、もう、クレーン車や色んな重機が待ちかまえていることだろう。