窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

干物

まあ、レシピって程じゃないけれど、からっっと晴れていたので久々に干物を作った。冷凍庫にお買い得で買っておいた小さめの鰺が眠っていたので。
頭ごと開くのもなんなので、頭は取ってちゃっちゃと開いて適度な濃度の塩水にくぐらせて(この辺がもう適当)水気を取り、100円ショップで買った干物の網に入れて窓辺に吊るすこと半日余り。
ほどよい柔らかさを持った干物ができ上がり。焼いて食べるとおいしい。家で干物を作るとスーパーで買う気にならなくなる。
しかし、この感動のさなかに家の猫が昼寝から目を覚ましてやってきてしまった。家の猫は人が食べている物を普段はさほど欲しがらないのだけれど、今日はすでに干物にする前の下ごしらえの時に鼻をひくつかせていたし、干物を乾していたのは猫の寝ていた窓辺の網戸の向こうだったので、寝ている間中幸福な匂いがずっとしていたに違いない。怖い顔をして鳴いているので仕方なく小指の爪ほどあげた。