窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

野次馬

猫というのは、好奇心旺盛というか猫なのに馬だ。野次馬。
夜、軒下でくつろいでいるタロウとぎいやんも、どこか遠くで他の猫のけんかの声が聞こえると、「なんだ、なんだ」「けんかだ、けんかだ。」といった感じで走っていく。
家の猫も例外ではなく、外には出られないから網戸にへばりついて様子をうかがっている。
しばらくすると「やれやれ・・」という様子で皆戻って来て、外の子たちは縁側でゴロゴロし、家の猫は台所でご飯を食べ始める。
ところで私は猫のことばかり書いているが、別に猫が特に好きなわけではない。たまたま猫が身近に多く居るためである。多く。多すぎるかんじ。
これが猿だったり鴨だったり犬や馬だったら、もちろんそれらのことを書き連ねることだと思う。たまたま猫が居るので猫のことを書いているまでだ。
最近、猫と同じくらい軒先に多いのは、ザリガニだ。正しくは軒先というよりも、軒先を流れる水路の中。
流れがあまりない低い水の中を、土煙を上げてザリガニたちが移動している。
ザリガニ・・・・猫は食べるだろうか。