窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

カマキリ

今年もカマキリは1匹だけ、軒下に日よけ用に作ったニガウリにとまっていた。昨年はさらにそこにインド綿のようなベッドカバーを日よけに使っていたのだけれど、ある日布をたたもうと思ったら、布目に足を引っかけたままのカマキリが干からびて、笑ったような顔のままくっついていた。それもあって、今年は葦簀にしてカマキリは葦簀にとまっていた。
私が今年最初に見たのは夏の初めで、身体はけっこう大きかったのだけれどカマが小さかった。8月末にまた見かけたときも、やはり普通のカマキリよりもカマが小さくて、なんだか迫力がなかった。それでもまあその時まで生きていられたのだから、ちゃんと狩猟はしていたのだろう。
その後見かけなかったけれど、昨日新たに小さめの茶色いカマキリが網戸に止まっていた。こんな時期に小さかったら寒くて長くは生きられないのではないだろうか。もっともよく見かけるというだけで、特に私がカマキリに詳しいわけではないのだけれど。
今年の夏は、8月の初めに蜩が鳴いていて、その後に油蝉やツクツクが鳴き始めたので、カマキリもまた変な時期に生まれてしまったのかもしれない。