窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

菜食研究会

この度、菜食素食食材研究会で池尻大橋へ。目的は好吃屋也。
点心が「コロッケ」「春巻き」「餃子」が選べる。日替わりメニューのおかずは5品並んでいて、その中から3品選ぶことが出来る。その日はM亮は肉(もどき)団子、白菜と肉(もどき)団子、揚げ豆腐の煮物、私は肉(もどき)団子と青菜の炒め物、厚揚げの煮物。
M亮が先に頼んだときには、青菜の煮物は既に無くなりつつあったので、彼はそれ以外を選択したのだが、私が選択したときには、ちょうどまた追加の青無炒めが出来上がったので入れてもらった。コンビニでお茶などを買って、歩いて世田谷公園へ。
「なんか、俺のおかず茶色いのばっかり」と何度も言うM亮の言葉に、ちょっと分けてあげようかな。と思ったけれど思っただけで私はひたすら青菜をぱくついたのだった。美味し。美味し。
菜食研究会と言っても、メンバーは少ない。M亮夫妻と私。そして、岡山支部としてヒロエさんを勧誘することにした。ヒロエサンと私は、別にベジタリアンではない。美味いものが好きで食べ物に関しては研究熱心で自前で作りたがるというだけのことだ。10数年前、近所に住んでいたときに二人で文字だけのベジタリアンの本を読みながら、「美味そうだなあ。」「くー、たまらんなあ」等と唾を飲み込んでいた。想像力がたくましく、工夫に余念が無いというのが、ヒロエサンと私の共通点である。

さて、池尻大橋。昔からこんなにオシャレな町だっけー。と言っても私は15年くらい前、単車で駅の近くのラーメン屋に行ったりしてたくらいだけれども。
公園で蚊に刺されながらお弁当を食べて、オシャレなカフェで珈琲とチーズケーキを食した。ケーキは『素食研究会』の名を汚すほどの凄いボリュームであった。カフェはさすが世田谷区。中央線沿線沿いとは偉い違いだ。アンティーク家具が並べられている天井が高いお店で、床材や階段の手摺りも凝っている。隣に座った若い女の子が箱のようなテリアを連れていた。お店は動物同伴でも良いらしい。M亮の目が泳いでいたのは、テリアのせいだけではないように思われる。これはずんだれ君症候群(行く先々で女の子に目が泳ぐ)ではなかろうか。
カフェを出てからは、いつものように私は通りすがりの古書店に吸い込まれてしまった。1件目の古書店には、鴬色の着物を着た若く美しい女性が、しゃがみ込んで岩波文庫を物色していた。
私はブラッドベリ晶文社の単行本(100円)と吉行理恵詩集(300円)を買った。もっと探せば掘り出し物がありそうな古書店だった。少し行くともう一件あり、そこはまあ、まあの品揃えで値段もそれなり。そこでは何も買わなかった。
世田谷公園