窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

雪だ

天気予報通り、雪の1日になった。それ程積もらないうちに。と、急いでいたのだとは思うけれど、灯油屋の笑瓶の車がいつもよりも早い時間に来てしまい、灯油が買えなかった。いずれにしてもこの冬の灯油の値段の高さでは、やはりガスストーブも1台必要なのかも。
昨日、出汁を取った後の鯖節や煮干しを入れて、縁側の下に置いた器を朝見たら、綺麗に無くなっていた。このところ、ヨォーヨォーと鳴きながら彷徨っている黒猫が食べたのか、それとも京塚さんか。あれから駒子や銀吉は見かけない。周りには猫の足跡は見当たらなかったので、まだそれ程積もらないうちに来たものと思われる。
家の猫は、昔は雪と見れば喜んで逃亡を企てたものだ。大雪の日、逃亡したままなかなか戻ってこないので、探しに出たら、4本の足跡とお腹の跡が路地裏についていた。その時の雪は猫の足の長さよりも深く積もっていたから、ピョンピョン跳んで進んでいったような跡だった。
今日の猫は夕方まで寝ていた。布団をめくったら「寝てなんかいなかった。」と、言わんばかりに飛び出してきたけれど、目がぼんやりしている。窓を開けてそばに寄せても、雪を見ないで私の顔を見上げてご飯が欲しいと鳴いていた。風情がない。