窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

記憶について

打ち合わせでアシカ君来訪。本日の主たる議題は「記憶について」であった。人はいかに記憶を失うか「できる限り記憶を失なわないための傾向と対策とその実践」と言うのが、前もって私達に与えられた課題であり、議論は6時から始まり、途中休憩で近隣の公園の探索をはさんで深夜12時まで及びアシカ君帰宅。
なかなか有意義な会合であったが、議題にあがった数々のテーマをここで箇条書きにしてみたときアシカ君がどこまで覚えているかは不明であり、また朝になって発見した「アシカ君にとって『靴』とは何か」という私のメモ書きを読んでみても私自身何のことやらさっぱりわからない。この件についてアシカ君に問い合わせ中ではあるが、どうやら今回の「できる限り記憶を失なわないための傾向と対策とその実践」は、お互いに危機感をもちながら臨んだ試みであったため、過去の会合よりは成果があったものの、まだ完全とは言いがたいようである。