窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

死の棘

 今一番読みたい本は「死の棘日記」先日高橋源一郎氏が書評にも取り上げていた。
 私が本を読み終えた時、ぼう然としてその本をしばし見つめ、本という媒体はなんて凄いんだろう。と最初に思ったのが「死の棘」だった。それから何冊もそう感じる本にであったけれど、「死の棘」を読んだときの感覚は忘れられない。読み返したことはない。怖くて。男と女では受け取り方がちがうんじゃないかとも思う。「死の棘」を読んだとき、私は完全にミホさんが乗り移った感覚だった