窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

桜

 桜だな。とアシカ君のメールに書いてあった。桜です。と私も返信した。
さすが武蔵野。家の周りは桜だらけ。カワセミがいた近所の公園の山にも池に向かって咲いている。しかしこの辺りはライトアップなんてしないので、夜は真っ暗で見えない。昼は暖かくなったせいか、小学生達がワラワラと池の周りに陣取ってザリガニ釣りをしたり木に登ったりしていて騒がしい。

 M亮夫人のMラが来てくれて私が以前住んでいた町に一緒に行った。もっと感傷的になると思っていたのに、それほどでもなかった。あまりに変わっていたせいだろうか。流れた時間と現実がようやくピッタリ重なったような気持ちがする。そこいら中桜。こんなに桜があったっけ。と思う。素晴らしい1日だった。