窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

コタツが欲しい

 最近猫の機嫌が悪い。私の帰宅が遅かったりするからだ。そうしてその翌日私がぐったりと寝ていたりすると、機嫌の悪さはピークになる。私が下に行くと2階に上がって鳴き、2階に行くと下に降りていって鳴いている。冷戦状態。夜は寒くて布団の中にすぐに入りたいくせに、私が掛布団をあげるのを枕元に座って待っている。ただ、布団を持ち上げるだけでは入ってこない。私が体を起こして場所をあけてやると、スタスタとはいってきて横になる。枕と平行に。

 朝は寒くていつまでも寝ている。布団を引きはがすと湯たんぽにかじりついて寝ている。猫は丸くなって寝る。と思われているけれど、あれは寒いからだ。と、以前獣医さんが言っていた。暖かくしてやると猫も長くなって寝るのだ。昔、近所に住んでいたヒロエさんの家に私の家の猫が遊びに行ったまま帰ってこないのを迎えに行ったことがある。ヒロエさんは、「コタツの中に入っていたの。」とだらんと長くなった猫を玄関口まで運んできた。それを思いだすとコタツが欲しくなる。コタツがあったら猫は御機嫌でずっと入っていることだろう。私もだ。