窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

中秋の名月

 終日制作。
 今朝は電話機の故障モロモロで、NTTの人が来た。これまで使っていたファックス付電話がいきなり壊れてしまい、今使用しているのは10年前に使っていた予備の電話だ。私は突難になってから、難聴気味なので今度買うときには子機の受話音もよいものでなくてはと思っている。新しく買おうと思っている電話機のうたい文句は、「孫の声もこれでクリアに聞こえる」というような感じで、紹介イラストには、ニッコリ笑ったおじいさんが孫と電話で話をしているというもの。ここで私にとって重要なのは、おじいさんが持っている受話器は子機か親機か。ということである。子機の音声も良くなければならないのだ。そうして見つけたのが来月末頃に発売されるものだ。それまではこの古い電話機で我慢することにした。だいたい、私はあまり電話をかけない。なければないで・・・みたいな気もする。越してきてから相変わらずテレビも新聞も無いけれど、別になければないで・・・。
 テレビも新聞も無い暮らしは今回はどのくらいするのだろうか。朝、ご飯を食べて珈琲を飲みながら新聞を読むことができなくなったので何となく手持ちぶさたで、その辺にある本をめくっている。「草花の育てかた」「樹木辞典」食事をする部屋に置いてある棚にささっている本は園芸関係ばかり。他に太陽のバックナンバー「落語」別冊太陽「庭をめぐる七つの旅」など。なんとなく地味。1度だけしか読んでいない別冊太陽「赤瀬川源平の謎」もあった。今度はこれを読もう。
 今日は中秋の名月だ。空は黒い。窓を開けて月を探してみたら何となく白っぽい場所があった。首をよじってしばらく見ていたら雲が流れて白い月が出てきて、流れていく雲の影もよりハッキリとしてきた。月は子供の頃に黒い下敷きで見た太陽のように輝いていたけれど、雲が通るからすぐに見えなくなった。窓の向こうをJRのオレンジ色の電車が通る。他の家の明かりも見える。以前の家の周りは真っ暗だった。満月の晩はまるで薄暮のように明るかった。ハケはどうしているだろうか。