窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

見積もり

 先日見積もりに来てもらった引っ越し業者に、確認の電話を入れた。電話で担当の女性がチェックリストの項目を確認しながら、植木はダンボールに入れてくれというので「背丈がはみ出しますけれど」と言うと、「うーん。そうですねえ。丈の高いダンボールなんてお持ちじゃないですよねえ。困りましたねえ。」と弱っている。「コンピューターは箱が無いけどいいんですよね。」と念を押すと、うーん。と、また困っている。「ま、大丈夫でしょう。多分。」なんていうので、だんだん不安になってきた。「ミニコンポは?」と尋ねると、「チェックリストに書かれているものについては、こちらで養生のための資材を持っていきますので大丈夫です。」と言う。植木もコンピューターもコピー機もチェックリストに載っているではないの。と言うと「そうでしたねえ。ま、見積もりで見ているから大丈夫ですよ。・・・たぶん」と。「本当でしょうねえ。当日びっくりされても困るんですけど。」と言うと「そうですよねえ。困りますよねえ。ウフフ。」と、笑っている。

 「プレス機を分解するスパナ持参することとありますが、宜しいでしょうか。」と、尋ねられた。宜しいでしょうか。って、そっちが持ってきてくれるためにメモしたんじゃないの?と、訊くと、そうだ。と言う。なんだかよくわからないけど、彼女は夏のバイトなのかもしれない。当日の業者の人たちが良い人たちであることを祈ろう。