窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

引っ越し作業は続く3

 もう使わないであろうキャンバスの100号辺りの木枠を、油絵を描いているボルシチ君にとりにきてもらった。「使うには使うのだけれど置くところが・・・・」と、言いつつ車に乗せて、庭の廃材切りを少し手伝ってくれて帰っていった。午後になってT君が900cc のBMWに乗って登場したのだけれど、チェーンソーは調達でき無かったという。切り倒した木が散らばっている庭を見ながら、「映画の一場面のようだな。」と笑っているので、そんな悠長なことを言ってる間があったら手伝わんか。と言うと、さっそく新品のノコギリを手にして切り始めた。彼が直径10cmのニワトコの切り株と格闘している間、私は庭の青い机を丸鋸で刻んだ。「なんか、こんな木を切って祟りがありそうだな。」と言いながら切っているので、私はそばで「きゃー、痛いよー」と台詞を着けてあげた。炎天下でふらふらしながらも、2時間ほどで枝や板の山ができて、6つのゴミ袋に一杯になった。

 庭がサッパリ片づくのを見るたびに、近所の人が入れ替わり来て「越すな」という。今日は向かいの奥さんに、「今からでも間に合う」と、庭にプレハブを建てるように勧められた。「いっそのこと、2階建てにしちゃえばいいのよ。」と、無茶を言う。